פסח おき
イスラエルでは現在ペサハの真っ最中です。
ではペサハとは何でしょうか?
ペサハとは日本語で「過ぎ越しの祭」あるいは「除酵祭」と呼ばれますが,それだけでは何のことかわかりませんね。
ここで近所のスーパーの様子です。
一部の商品が追放されています。
これは,小麦粉を追放しているためです。
すなわち,ペサハとは,小麦粉を追放する祭です。
「ペサハ用品コーナー」がもうけられています。
ペサハ用品です。
左にあるのはマッツァーと言います。ペサハの期間は,小麦粉などの穀物は追放されますが,例外的にマッツァーだけは許されています。(聖書の言葉です)
これは,ユダヤ人がエジプトでの奴隷労働から逃げ出した状況に基づいています。
脱出のとき,とても時間が無かったので,パンの発酵を待っていられませんでした。
そのため,酵母をつかったふかふかのパンを食べられず,このマッツァーのような,堅くて味の無いパンで我慢しました。(聖書の言葉です)
その苦難を思い出すためのお祭りですので,マッツァーのような「全く発酵していない」パンを食べるのです。(聖書の言葉です)*1
しかし,マッツァーだけでは苦難を思い出せません。そこで,苦いものを食べます。(聖書の言葉です)
セロリの葉,レタス,西洋わさびなどを食べます。
僕は西洋わさびが好きなので,買いました。写真の右にあるやつです。
さらに,羊か山羊を殺して食べねばなりません(聖書の言葉です)。
おいしかったです。
さて,ペサハとは出エジプトのときの苦難を思い出すためのお祭りですので,苦難を思い出す必要があります。
そのため,出エジプトの時の物語をみんなで読む会をやります。
その会には,親しい異教徒も招かねばなりません(聖書の言葉です)。
招かれないと,さばきにあいます。
というわけで招かれました。
これがその,読むやつです。ハガダといいます。
いろいろな装丁のものが売られていて,どれも美麗なので好きです。
右下にあるのは「○○家専用ハガダ」です。つまり家族の記念アルバムです。
超かっこいい。
家族が 30 人ぐらい集まりました。みんなで読みます。
食べます。マッツァーと苦いものが見えます。もちろんワインも重要です。
が,お酒を飲むとヘブライ語を読む速度が遅くなるのでブドウジュースにしました。
左の赤いのが西洋わさびです。奥の緑ペーストは超からいです。
食器の美麗さにも注目してください。
スープです。
つみれの概念のように見えますが,これはマッツァーから作った団子です。
つまり単なる穀物です。
つみれの概念が拡大されています。*2
30 人分の食事を出すので,料理担当の人たちは大変です。
その忙しさからも,出エジプトの時の忙しさを思い出すのでしょう。
ところで僕はそんなに敬虔じゃないので,ペサハにもパンを食べたくなります。
もちろん街中のパン屋は閉店するので,パンもピタも買えません。
去年は,アラブ人街に買いに行きましたが,今年は買い置きしました。