つくりおき.il

つくっておくということをしています

スフガニヤ大戦争おき

この記事は,つくりおき.il Advent Calencar の第23日目の記事です。

www.adventar.org

このカレンダーも残すところついに 3 日。つまり,ハヌカはもうすぐそこです。

ハヌカというのはイスラエルのお祭りのひとつで,油が長持ちしたことを祝うお祭りです。なので脂っこいものを食べます。したがってスフガニヤ大戦争です。

 

 

脂っこいモノと言えばなんでしょうか?そう,ドーナツですね。スフガニヤはドーナツの概念です。そのほかにもポテトチップスやフライドポテトを食べたりもします。

 

ハヌカは明日24日の夜から始まります。したがって明日の夜からスフガニヤを食べ続けなければなりません。

 

f:id:misho:20161224112455j:image

これは今日の夕ご飯のカレーです。残り物の野菜を全部処理しました。

 f:id:misho:20161224112502j:image

f:id:misho:20161224112507j:image

 

 

 

ところが明日は安息日なので,スフガニヤは買えません。従って,金曜日であるところの今日買わなければなりません。

国中の人たちが,世界中の人たちが,スフガニヤを買いに走ります。これは戦争です。

 

しかし安心してください。スフガニヤは至る所で無限に売られており,こちらが様子です。 f:id:misho:20161224112512j:image

黒いケースは空箱です。これだけのスフガニヤが既に売れたわけです。

パン屋もケーキ屋もカフェも町の子供達もみんなスフガニヤを売っています。

 

 

これはきょうのランチのשקשוקהです。

f:id:misho:20161224112650j:image

 

 

 

 

f:id:misho:20161224112716j:image

6個買いました。いいですね。

 

 

 

ところが、明日からハヌカであるにもかかわらず,既に今日 4 つ食べてしまいました。まあ明日2個食べればいいでしょう。

 

 

それではよいハヌカを。

 

カレーおき

ではカレーをやっていきましょう。

 

 

今日こそ,構造主義の観点からカレーについて考えていきます。

 

tsukurioki-il.hatenablog.com

 

 

 

 

 

こちらは鶏肉と,シュエしたタマネギです。

シュエしたタマネギそろそろ使い切らないとナァと思っています。

f:id:misho:20161222045223j:image

鶏肉は加熱*1すると旨くなるので,F1 ですね。そこに熱を加えている様子です。

 

 

そこにバーンバーンバーンってやります。オイスターソース,中国の辛いやつ,コショウ,が投入されています。

中国の辛いやつもコショウも,どちらも,適切に定義された人間に対して「鼻(F2)=香ばしい」を満たすので,F2 であることがわかります。

f:id:misho:20161222045226j:image

したがってこの段階で,カレー構造の中枢である H(F1×F2) ができていることがわかります。あとは腹にたまるもの F3 を準備するだけなのですが,準備するのをすっかり忘れていたのでそこには戦場がありました。

f:id:misho:20161222045228j:image

フライパンとグリルでバキバキにやった茄子を左に入れつつ,右の鍋にとりあえず麺的なものをぶち込みます。お湯は奥のケトルで湧かしている途中なので麺的なやつは一部焦げ始めています。これが戦です。

ちなみに茄子は少し萎びていましたがフライパンとグリルでとにかくやれば遜色ない感じになって便利なのでみなさんもやりをやっていきましょう。

 

 

 

そして草です。

f:id:misho:20161222045227j:image

 

 

以上を組み合わせて,

f:id:misho:20161222045234j:image

何らかのものが出来ました。草と麺と肉的なものです。最後に香り付けのためにごま油をかけています。

 

実は先日の TTM

 

tsukurioki-il.hatenablog.com

と類似の料理ですが,この料理にはカレー構造を入れることができるため,この料理はカレーを為していることがわかります。

 

 

明日はこのカレーをさらに展開していきます。

 

 

 

 

*1:形而上学的つくりおきにおいては,加熱は集合 F に作用する任意の演算として取り扱われますので,加熱以外の概念を抽象的加熱であるとみなして抽象的料理を展開することが可能です。

脱構築カレーおき

ではカレーをやっていきましょう。

 

 

と言いたいところですが,冷蔵庫にはまだ先日作ったカレー

tsukurioki-il.hatenablog.comのつくりおきがあります。したがって今日の夕ご飯はそのつくりおきをレンジでチンしてご飯と一緒に食べるという行いです。ところがそれはすでに日曜日にも行われており,既にここでもとりあげています:

tsukurioki-il.hatenablog.comということは,このままでは日曜日のこの記事と全く同じになってしまいます。

それはブログ的にはあまりよくありません。

 

 

というわけで日曜日と同じことを,再びやっていきましょう。

 

 

 

 

これはカレーですが,チーズがかけられています。

f:id:misho:20161221061343j:image

近代西欧における形而上学実存主義の伝統に立脚していたため,二項対立の前提の中で優劣あるいは止揚を試みるという階層的構造が存在しました。したがって,構造を転覆させることそれ自体のみでは既存の構造を分解するにとどまり,二項に取り込むことをされなかったもの,すなわち敷延に対するまなざしは失われてしまいます。

 

ここに二項対立という構造自体を棄却する必要が生じます。ところが,実存の範疇からの脱却を目的とした思惟の要請として,棄却それ自体も要素に基づかない形で行われなければなりません。すなわち構造自体が自発的に自身を分解することが求められているのです。その様子がこちらです。

f:id:misho:20161221061345j:image

すなわち構造自体に自己触媒作用を見出す行為それ自体の構造に着目する必要があるのです。しかしその必要性自体もやはり階層の秩序という表象の中で現象しているのであり,敷延は未だに視点から逃れてしまっています。

f:id:misho:20161221061333j:image

これは米を茹でる様子を示していますが,依然として米と水の二項対立の範疇に取り込まれてしまっています。それは食塩を入れることによってすら解消されません。事象の表層において階層が存在するというのは実存主義の形而下的限界であり,つまり古典物理学に基づいて器としての物質を理解しようとする行為の束縛される文脈なのです。

我々はもはや形而上の概念を取り込む必要に迫られ,つまり米を茹でる様子自体に内在されている形相因や目的因といった形而上的な価値を取り扱う行為を,思推している人間の精神に獲得する段階に来ています。

f:id:misho:20161221061340j:image

以上のように,実存主義からの脱却を試みて構成された構造主義それ自体も,要素を排除した先にある構造それすらをも要素と見なすことによって実存主義に回収されてしまうという危機に直面してしまっています。すなわち構造主義自体が構造主義を内部から棄却しています。思想のこのようなアポトーシス作用を「脱構築」として構造化したのがデリダあるいはハイデガーの思想ですが,その思想自体もやはり構造に基づいており,従って構造主義の回収と同様に実存主義,ひいては形而下の議論へと回収されてしまいます。

 

構造主義の立場からは,カレーは F3 × H(F1 + F2) であり,すなわちご飯とカレーと対立関係においてはご飯にカレーをかけることによってのみカレーは現象しえます。ここでカレーとご飯には明示的な階層関係が存在します。ところが脱構築の視座は,このような古典的階層関係が自律的に解体されることを要求しているのです。そのためにはまずご飯をカレーにかける,という行為が必要になります。

f:id:misho:20161221061346j:image

ところが,そのような行為の範疇においてもカレーとご飯の間には明示的な階層関係が存在してしまっており,構造は解消されません。カレー構造がカレー構造自体を自律的に解体するためには,カレーは形而上的にはカレーであるというまなざしを獲得し,そのまなざしがまなざし自体を解体する,といった,ありかたの連続的な問い,すなわち「やっていき」の精神が必要とされているのです。

 

より深く学ぶための参考文献

tsukurioki.hatenablog.com

 

 

 

構造主義カレー展開おき

ではカレーをやっていきましょう。

 

 

 

 

 

と言いたいところですが,今日は海外からのお客様と夕ご飯に行っていたのでノーつくりおきです。したがって過去のカレーを掲載します。

 

 

 

 

これはナンですか?

f:id:misho:20161220075215j:image

玉ねぎが切られています。

というような知見もありますが,タマネギは安くてうまいのでやっていきましょう。

(というかあらかじめ大量にシュエしときゃいいんじゃないの。。。。)

 

 

 

ここで,タマネギは安くてうまいので, F1 です。そこで F2 を入れます。

 

 

f:id:misho:20161220075228j:image

ショウガ,ニンニク,あとなんか日本でインドカレー食べたあとに出てくる謎の甘い草,などを入れています。F2 ですね。

 

あとは加熱すれば構造主義的カレーができます。

 

が,ここでさらに F1 をババーンと追加投入します。

f:id:misho:20161220075235j:image

冷凍していた鶏ひき肉です。

 

 

f:id:misho:20161220075253j:image

トマトペーストと何らかの野菜です。

 

 

 

おっ?

f:id:misho:20161220075305j:image

これはつくりおきですね???????????

 

 

しかし今日はここから展開します。

フライパンに作られたカレー構造 H(F1+F2) の 2/3 をつくりおきとして取り出し,

取り出したところに F3 としての「茹でたインディカ米」を入れます。様子です。

f:id:misho:20161220075318j:image

これ完全に戦場で,なぜかというと右では 3 食分の米を茹でつつそのうち 1 食分を少し早めに水揚げ(?)して左に投入して左を勢いよくかき混ぜると同時に右側から米を取り出してラップに包んで冷凍するという戦いが繰り広げられているからです。

 

茹でたインディカ米は明らかに腹にたまるもの F3 ですので,それを H(F1 + F2) と混ぜて炒めた F3 × H(F1 + F2) は当然にカレーです。

実際の様子を見てみると,

f:id:misho:20161220075331j:image

どこからどうみてもカレーですので,カレーが置かれました。

 

 

 

 

 

 

今日いつもにまして雑なのはさっきまでスーパーマリオランのスペシャルステージ3を頑張っていたからです。まだクリアできていません。。。。。

 

 

構造主義的つくりおき

この記事は つくりおき.il Advent Calendar の 18 日目の記事ですが,同時に

kaiteki.hateblo.jpへのアンサーソングでもあります。

 

 

構造主義的にカレーを理解するという試みは以前から行われてきました [Kaiteki, 2016] が,それらの試みにはいくつかの問題がありますので,本記事ではより適切な構造を提唱したいと思います。

序論において構造主義の意義を確認した後,第 2 章でカレーの構造について議論し,第 3 章では構造に基づいておいしいカレーを作っていきます。

 

 

 

 

序論:構造主義とは何か?

知りません。

 

 

 

が,Wikipedia を読んだところ,どうやら群論で出てくるアレっぽいです。従って群論を例に,構造主義の理解を試みましょう。

 

簡単のために群ではなく半群を取り扱います。

Wikipedia によると(半群 - Wikipedia

半群(はんぐん、: semigroup)は集合 S とその上の結合的二項演算とをあわせて考えた代数的構造である。

とのことです。Wikipedia は便利ですね。ポイントは,ここに「構造」という言葉が出てきていることです。つまり半群構造主義的に構成されています。

どういうことかというと,半群を考える上で,「なにについて考えているか」ということは重要ではないのです。個々の要素が重要なのではなく,その要素のあいだの演算と呼ばれる「関係」に着目しているのです。

つまり,1, 2, 3, ... という自然数であっても,りんご・バナナ・キウイ・……という果物であっても,あるいは「快適な生活」「うどん」「ひとで」「moznion」のような抽象的概念であっても,それらの上に適切な構造を考えられれば(半群の構造を入れることができれば)それらは半群となるのです。*1

一つ一つの要素に着目するのでは無く,このようにして,さまざまな現象にたいして個々の要素を一切とりあつかわず,その間の関係だけを抽出するのが構造主義の立場です自然数複素数,無,などさまざまなものを統一的に「群」として扱う手法に,構造主義の表れを見ることが出来ます。

 

 

 

 

カレーについても同様で,「カレー」という概念には様々なものがあります。

「ククレカレー」「ゴーゴーカレー」「ドライカレー」「タンカレー」「カレーの王子様」などが全て「カレー」であるという現象を理解するには,カレーの構成要素を分解していく立場(還元主義)からでは困難であり,構造主義に基づいた理解が必要となっているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろんこれは全部ウソで,さっき Wikipedia 読んでおもいついたデタラメです。

まあやっていきましょう。

 

 

 

 

 

 

カレー構造

カレーを以下のように定義します。すなわち,カレーとは

  • 集合*2 F = {F1, F2, F3, ...} およびその上に自然に定義された演算 × と演算+
  • F に作用する演算 H
  • 適切に定義された*3 「人間」 ={口,鼻,香ばしい,旨い,腹にたまる}

の間の関係であって,カレーの公理

  1. 口(H(F1)) = うまい
  2. 鼻(F2) = 香ばしい
  3. 口(F3) = 腹にたまる
  4. 口(F3 × H(F1 + F2)) = うまい *4

を満たすものである。

ここで一般的には

  • H は「加熱」
  • F1 は「加熱するとうまくなるもの」
  • F2 は「香ばしいもの」
  • F3 は「腹にたまるもの」

と呼ばれ,また H(F1 + F2) あるいは F3 × H(F1 + F2) のことをカレーと呼ぶ。

 

つまり,カレーとは,加熱すると旨くなるものに香ばしいものを加えて加熱したものを,腹にたまるものにかけたものである。

 

 

 

具体例

つくりおき学においては具体例こそが全てです。なぜなら,抽象的な議論は,よりおいしく,よりお手軽なつくりおきをやっていくためにあるものです。衒学的な,あるいは形而上学的な議論は慎まなければなりません。

 

 

したがってやっていきましょう。

 

 f:id:misho:20161219064508j:image

これは,加熱すると旨くなるもの F1 です。一般には「昨日のカレー」と呼ばれます。

 

tsukurioki-il.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

これは,香ばしいもの F2 です。一般には「スパイス」と呼ばれます。

f:id:misho:20161219064510j:image 

これらの間には自然な形で演算「+」が定義できて,すなわち F1 に F2 を加えることができます。これが F1 + F2 です。

 f:id:misho:20161219064514j:image

 

 

 

加えました。これに加熱演算子 H を作用させます。 f:id:misho:20161219064535j:image

加熱されたので H(F1 + F2) が構成されました。

ときおりこれのことをカレーと呼ぶことがありますので混乱しないようにしましょう。

 

 

 

 

 

こちらが腹にたまるもの F3 です。一般には冷凍ごはんなどと呼ばれます。

f:id:misho:20161219064856j:plain

 

これらの間には,自然なかたちで演算「×」が定義できます。

すなわち,かけることができます。

 f:id:misho:20161219064525j:image

これはカレーですね?

 

 

したがって,カレーの公理を満たすものとしてカレーが現象されました。

 

 

追記 (19 Dec 2016 1:30 IST)

 「×」は集合 F に自然に入る積構造を考えていますので,より正確には「組み合わせる」と理解するとよい。具体的には

  • ごはん(パスタ)×カレー = ごはん(パスタ)にカレーをかける
  • パン(ナン)×カレー = カレーをパン(ナン)につける

などが考えられます。(ここでカレーは H(F1×F2) の意味)

ただし,カレーパンはカレーではなくパンです。カレーピラフはカレーではなくピラフです(生米は F の要素ではない)。また,ごはん×カレー として,ご飯とカレーをフライパンで炒める,を入れると,ドライカレーができます。

*1:たとえば「快適な生活」「うどん」からなる群にたいして,「快適な生活×うどん=うどん」「うどん×快適な生活=快適な生活」……といった構造を入れることによって半群が構成される

*2:この集合 F は厳密には「人間」の「口」に対して 口(F) が定義可能であることにより定義される。この定義が構造主義的であることに注意せよ。

*3:「人間」を構造主義的に理解する試みは,以前から抽象つくりおき学の分野で盛んに行われていますが,実際的には「人間」は前提として与えられていますので,ここでは「人間」の構造については議論しないものとします。

*4:訂正 (19 Dec 2016 1:30 IST) 第4の公理は不要である。F3 × H(F1+F2) が口の値域となっていることは×の定義に含んでいる。